2008年05月10日

なんで僕は 戻らないんだろう

うちの近くで自転車のおばちゃんに最寄駅までの道を聞かれた。

「まっすぐ行くとつきあたりにケーキ屋さんがあるので、その手前の道を左に行ったら駅前ですよ」
と答えた。
するとおばちゃんは「え、つきあたり左っ?」とたいそういぶかしげな声音になった。
「そうです、ケーキ屋さんの手前を左です」と答えた。
「ケーキ屋を左ね?」と確認されたので、「ええ、ケーキ屋を左」とくりかえした。
おばちゃんは「あ、そう。ありがと」と言うと自転車でついーっと走ってった。

見通しのよい真っすぐ道なので、わたしはなんとなしに小さくなるおばちゃんの背中を見ていた。



おばちゃんはつきあたりでもなんでもない魚屋の前を右に曲がっていきました。





あのおばちゃん、いまごろどのあたりを彷徨ってるんだろう。










世の中には『迷い子』と『迷わない子』の二種類がいると思う。

ときどき迷っちゃう子。
迷ったフリしてる子。
迷わないようきっちり予防線を張る子。
なぜか迷わないで済む子。
いろいろいるんだけど、

「迷わずには生きていけない子」がいる。

いや、むしろ「生きようとするとどうしても迷ってしまう子」と言うべきか。





あえて書く。
どう思われようとかまわない。

茂原をひきずってます。
ぜんぜん消化できてないし、忘れたフリもできないし、切り替えもできず、毎日シゲのことを考えてる。
庭に水やりしては「お日様の光を浴びてるだろうか」と、
お夕飯のしたくをしながら「ごはんちゃんと食べてるだろうか」と、
お風呂を沸かせば「お風呂入れてるのかな」と、
ベッドに入るときには「今日は眠れてるだろうか」といつも思う。

レイソルが勝利した日は、「8」を想って目が日立台をさまよった。

今、どうしてる?
何を、考えてる?





だからって俺はなんにもできない。そして、なにかをしてはならないとも思ってる。


俺は女です。
シゲが過去に起こしたとされる事件については、正直、自分が被害者だったら…って想像しただけで吐きそうです。
不快だし、気持ち悪いし、ありえない恐怖。
じつはむかし深刻なストーカー被害に遭ったこともあるので、性犯罪の被害者の心情はわずかながらもわかるつもりです。
いまでも冗談で口にすることはできない。本当に怖かったし、いつまでたっても心は癒えない。

だから、シゲの容疑にたいして弁護する気はいっさいない。
たとえ罪が確定したとしても、たとえ罪に問われない結果になったとしても、被害者の方が受けた傷を軽視することは絶対ない。
なんの役にも立たないけど、穏やかな日々を過ごされてるよう心から祈ってる。






それでも。
どうしても。
気になって悲しくって助けたくってしかたないんです。

こんなのは甘いのか。甘いよね。てめ甘すぎるよとどうぞ叩いてください。



でも、サッカーしかない人間が、誤りながら罪を犯しながら責めを負いながら、それでも自らの身をさらしながら恥をかきながら白い目を浴びながら、這いつくばって生きていく道はないのか。

サッカーしかない人間が、歯を食いしばりながら、血の汗を流しながら、つぐないの茨の日々を生きる場所はないのか。




迷い子に、帰り道はないのか。







こんなこと書いたら非難囂々なのは一万二千も承知ですが、菊地とはちがう。
俺は元ジュビサポだから、菊地の人となりもそれなりに知ってるつもりです。
菊地のほうがまだ贖罪の余地は広いだろう。彼は“自覚的”だから。
失礼な言い方だけど、菊地は、「サッカーだけ」じゃない。「Jだけ」でもない。
生きていく方便はいくらだって見つけられる人。



シゲは、たぶん、まちがいなく、サッカーだけだ。Jだけだろう。
だからってなんの言い訳にもならない。余地もない話だ。なんの余地もないんだけど。
でもなんとかしたいんだ。

ここでなんとかしなきゃ、ガラガラと崩れていく気がする。
大げさだけど、この世で生きていくために信じるなにかが。






わたしはとにかく、なかったことのように振舞うことはできません。大人にはなれない。
こないだの神戸戦のあとの飲み会で、なぜかものすごく痛烈に意識した。
去年何試合生観戦したかとか数字誇りあうのもかなり虚しかった。
ごめん、正直言うとあんま楽しめなかったんよ。ごまかすようにビール飲んだ。
(まぁみんな胸のうちではそうだと思うけど…)






レイサポであるかぎり、短い期間でも、黄色い家族として魂をささげた者を忘れることができない。
見守ることしかできない自分が、いま、かぎりなく歯がゆいです。

迷い子のシゲが大切な何かをとりもどす場所、
それが緑の芝にかぎりなく近い場所でありますように。






posted by きなこ at 02:05| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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